


変化を面白がる。それも私のキャリアパーツだった。 ― 社会や人との関わりから見えてきた、自分らしさ ―
新しいものや面白そうなものを見つけると、つい気になってしまう。話題のイベントや、ちょっと変わった取り組み、新しいサービスなど、「面白そう!」と思ったら、まずは見てみたい、体験してみたい。
文具女子博や文学フリマ、ZINEフェスなど、このサイトでも、私が興味を持って出かけた場所や、そこで感じたことをご紹介してきました。
自分では、ちょっと「ミーハー」的な性格なのかな、と思っていましたが最近、仕事や人との関わりを通じて、この「新しいもの好き」という自分の特徴には、もう少し違う意味があるのではないかと感じるようになりました。
それは、新しいものそのものが好きというだけでなく、人や社会が変わっていくこと、その変化の中に新しい可能性を見つけることが好きなのかもしれない、という気づきです。
私たちは毎日、いろいろな人と関わりながら生活しています。仕事をする環境、一緒に働く人、社会の仕組み、価値観。
どれも昨日と今日で大きく変わったようには見えなくても、少しずつ変化しています。
そして、自分自身も変化しています。
ところが、普段の生活では、案外その変化に気づかないことがあります。
以前はうまくいっていた仕事の進め方が、今の環境には合わなくなっていたり。
自分では当たり前だと思っていた経験が、別の場所ではとても価値のあるものだったり。
昔は苦手だと思っていたことが、今なら意外と楽しめるようになっていたり。
そんなこと、ありませんか?
私は最近、その小さな変化に気づけるかどうかで、仕事の楽しさや、自分らしいキャリアの可能性も変わってくるのではないかと考えるようになりました。
人と少しお話ししていると、ときどき「この人、もったいないなあ」と感じることがあります。
もちろん、短い会話だけで、その人のことがすべて分かるわけではありません。
でも、何気ない言葉や反応から、その人が大切にしていることや、まだ十分に発揮されていない持ち味の手がかりを感じることがあります。
例えば、今の仕事をきちんとこなしているけれど、実はもっと別のことにも関心がありそうな人。
豊富な経験を持っているのに、それを生かす機会が少ない人。
少し違う役割を担ったら、もっといきいきと活躍できそうな人。
こうした場合は、その人自身の可能性をもう少し広げられないかな、と考えます。
一方で、本人の能力や意欲の問題というより、周囲との関係や仕事の進め方が少し噛み合っていないように感じることもあります。
そんなときには、本人に何かを変えてもらうことよりも、環境や役割、周囲との関わり方を見直すことが役立つかもしれません。
どちらが大切かは、その人や状況によって違います。
そして、最初に感じたことが必ずしも正しいとは限りません。
だからこそ、対話を重ねながら、その人自身がどう感じ、どうしたいのかを一緒に考えていくことが大切なのだと思います。
私は最近、「微調整」という言葉が気になっています。
社会や環境が変化しているからといって、自分を大きく変えなければならないわけではありません。
自分の持ち味を無理に変えたり、周囲に合わせて我慢しすぎたりする必要もないと思います。
それでも、少し見方を変えてみる。
人との関わり方を変えてみる。
これまでの経験を別の場面で生かしてみる。
あるいは、自分に合う役割や環境を探してみる。
そんな小さな調整によって、今までより自然に、自分らしく働けることもあるのではないでしょうか。
自分を社会に無理やり合わせるのではなく、自分らしさと社会との接点を少しずつ調整していく。
そうすることで、同じ仕事や日常の中にも、新しい楽しさや可能性が見つかるかもしれません。
そして、それは本人だけが頑張ることではなく、周囲の人や組織と一緒に考えていけることでもあると思っています。
キャリアモデル開発では、自分の経験や持ち味、興味、価値観、活動などを「キャリアパーツ」として捉え、その組み合わせから自分らしいキャリアモデルを考えていきます。
私自身にも、3つのキャリアパーツがあります。
人を励ましたり、元気づけたり、その人らしい一歩を応援したいという自分らしさ。
「ニュートレンドナビゲーター」
新しいものや社会の動きに関心を持ち、面白そうなことを見つけていく自分らしさ。
「キャリアモデル開発センター品川」
それらの特徴を生かし、人の可能性を仕事や社会の役割につなげていく活動の場。
この3つを、自分のキャリアモデルとして捉えてきました。
その中で最近、特に意味が深まってきたと感じるのが
「ニュートレンドナビゲーター」です。
以前は、新しい情報や流行を見つけたり、面白そうなことを体験したりする、好奇心旺盛な自分を表す言葉だと思っていました。
でも、今は少し違います。
社会の変化、人の変化、環境の変化。
そうした小さな変化を面白がりながら、今までとは違う可能性を見つけていくこと。
そして、その変化の中で、自分や誰かの持ち味がもっと自然に発揮される方法を探していくこと。
そんな意味も、このキャリアパーツにはあったのかもしれません。
面白いのは、キャリアパーツの名前が変わったわけではないことです。
変わったのは、そのパーツを捉える私自身の視点でした。
現在、地方自治体の職員の皆さんと面談し、一人ひとりの経験や持ち味を、今の仕事やこれからの役割にどう生かせるか、一緒に考える活動をしています。
実際に対話を重ねていると、こちらが何かを伝えるだけでなく、皆さんの言葉や思いがけない反応から、私自身が新しいことに気づかされる場面もあります。
人の可能性を応援するつもりで関わっていたのに、逆に私自身が元気をもらっている。
そうした経験を通じて、これまで理解していたつもりのキャリアパーツに、少しずつ新しい意味が見えてきました。
キャリアパーツは、一度発見して名前をつけたら完成するものではないのかもしれません。
新しい経験をする。
人と出会う。
これまでと違う環境で活動してみる。
そして、振り返ってみる。
その繰り返しの中で、自分の持ち味への理解が深まり、キャリアパーツ同士のつながり方も変わっていく。
キャリアモデルは、つくって終わりではなく、経験とともに育てていくもの。
今、私は自分自身の実践を通して、その面白さをあらためて感じています。
自分では単に「新しいもの好き」だと思っていた特徴。
でも、経験を重ねるうちに、社会や人の変化に気づき、新しい可能性を考える自分らしさとして見えてきました。
もちろん、これも今の私の捉え方です。
これから新しい人や環境と出会えば、また違う意味が見つかるかもしれません。
皆さんにも、何となく好きなこと、自然とやってしまうこと、昔から変わらない自分の特徴はありませんか?
それは今の仕事と直接関係がないことかもしれません。
でも、環境や役割が変わったとき、思いがけない形で生きてくることもあります。
そして、社会や周囲が変わっていることに少し気づくだけで、これまでの自分らしさや未来に新しい意味が見つかることもあるのではないでしょうか。
変化を面白がること。
それも、私のキャリアパーツだった。
今は、そんなふうに感じています。
第2回|人と関わることで、自分のキャリアパーツが育っていく。
自治体職員の皆さんとの対話をはじめ、さまざまな人との関わりを通じて気づいたこと。
人の可能性を応援するつもりが、自分自身も元気をもらい、新しい発見をしている。
そんな実践の中で生まれたキャリアパーツの変化について、次回ご紹介します。
キャリアモデル開発は一般社団法人 ソーシャル・デザインの長沼氏が考案した考え方です。本連載では、キャリアモデル開発センター品川の実践を通じて感じた発見やキャリアモデルの変化をご紹介します。
タグ: キャリアモデル、キャリアパーツ、キャリアモデル開発士、自分らしさ、働きがい、ニュートレンドナビゲーター
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嶋村 ユミ
一般社団法人キャリアモデル開発センター品川代表理事/品川センター長
2023年キャリアモデル開発センター品川を創業。生まれも育ちも東京品川で、現在も品川在住。就職氷河期に商社に就職。「普通のOL」として、総務、人事、経理、秘書、営業事務などを経験した後、ひょんなことからISPへ転職。その後キャリアモデル開発に出合い、仕事=お金だけではないと知り、人生で何が大切かを見直す。総合人材サービス業を経て、「働くモヤモヤ」の解消に、地域のキャリア相談所として取り組んでいく。一緒にあなただけのキャリアモデルを作りませんか。
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